共同開発

近所迷惑な風鈴

 日本の夏の風物詩の風鈴。風が吹くと「チリンチリン」と涼しげな心地にさせてくれます。自分で軒先に吊るして聞くにはいいのですが、他人が吊るした風鈴の音が隣から聞こえてくることには、なぜか神経を尖らせてしまいます。隣家と接しているマンションやアパートでは、距離が近いため、音が聞こえて不快に感じることがあります。昼間ならまだしも、寝ようとしている夜中にもひっきりなしに「チリンチリン」と聞こえてきたら、騒音と思ってしまいます。昼間でも、夜勤明けで寝ている人がいるかもしれません。
 せっかくの日本の文化、夏の風物詩ですが、風鈴を飾ることにためらいを感じることはないでしょうか。

文化を残して、風物詩を楽しむ

 風鈴は、その「チリンチリン」と鳴る音色を楽しむだけでなく、季節のものを「飾る」という意味があるでしょう。季節によって文化的行事とともに飾り物を変えるものは、正月の鏡餅から、雛飾りや鯉のぼり、年末のクリスマスツリーまで、たくさんあります。季節的な意味で飾り物を変える一つが、暑い季節に軒先に飾る「夏の風鈴」といえます。
 音色を楽しむ、飾り物を楽しむ以外に、風になびいている風鈴の短冊を見て、「いま風が吹いているな」と、風や天気を目で見て感じられる良さもあります。
 そうした風鈴の良さを楽しみながら、ご近所トラブルが起きない、二つを両立する方法として、風鈴に「無音機能」を追加します。縁日で買える1000円位の風鈴にも、ほぼすべての風鈴に「無音機能」を付けます。風鈴が「音が出ないようにもできる」ものと、消費者に認知してもらえれば、もっと気軽に風鈴を買おう、季節を楽しもうと思ってくれます。

音が出ない「無音機能」

 「無音機能」というのは、「舌(ぜつ)」と呼ばれる風で動いてガラスや金属の「鐘」の縁に当たる部品をスライドさせて、「鐘」に当たらない位置に変えられる機能です。あるいは「鐘」の内側に紐ストッパーを付けて、「鐘」の位置を上方へ動かして、「舌」に当たらない位置に変えられる機能です。市販の数十円の安い紐ストッパーを追加するだけで、とても安く作ることができます。

風鈴の「無音機能」

製造会社みんなで風鈴を進化させる

 近所に迷惑と思って、部屋の中に飾ることもあるかもしれませんが、風で動かない風鈴なんてちょっと味気ない、風情がないと思われます。しかし、エアコンの窓越しに軒先に飾ることができれば、風の動きを目で見て楽しむことができるでしょう。
 近隣への騒音トラブルを危惧して、風鈴を買う人が減っていると思われます。文化が消えて無くなることなく、夏の風物詩、インテリアへの彩りを与えてくれる風鈴をもっと使われるよう工夫、進化する必要があると思います。業界が統一して「無音機能」のロゴマークを使って認知してもらう活動があると良いです。「サイレント風鈴」など、キャッチーなネーミングも新たに作ると良いです。ほぼすべての風鈴に、一斉に「無音機能」を付ければ、最近の売っている風鈴のほとんどには、その無音機能が標準装備されているのが常識になり、安心して気軽に購入されるでしょう。
 日本全国の伝統的なガラス風鈴、金属風鈴、陶器風鈴など風鈴メーカー、業界団体の方は、統一して「無音機能」を付けてみてはいかがでしょうか。きっと売上増加につながると思われます。

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