水族館の厳しい経営
日本には全国に52の水族館がある。それ以外にも「水族館」と名のつく施設が37あるとのことである(マンボウなんでも博物館)。
従来の昭和の中小規模の水族館は、公営が多く、経営的に難しい状況がある。小さな水族館では数度行くと飽きてしまうし、リピーターを増やす大規模投資をするには税金の問題がある。
旭山動物園のような、ペンギンが空を飛ぶような見せ方の工夫がないと来客数の増加につながらない。しかし「魚」を面白く見せるには、なかなか難しい。大きな水族館でも、目当ての巨大魚がどこにいるのかわからない。透明壁の外からじっと眺めるだけでなく、できれば「中に入りたい」と思わないだろうか。
スター・ウォーズ エピソード1で、潜水艇が巨大な水中生物に食べられないよう逃げ回るシーンがある。その潜水艇の窓から水中をのぞいたような景色が楽しめる、そんな装置を水族館に設置すれば集客ができる。大小の魚をよけながら、あたかも自分が魚になったように泳ぎ回れる感覚が体験できる。
水中ドローン+VRヘッドセットの活用
使うのは「水中ドローン+VRヘッドセット」である。空中を飛ぶドローンはよく知られるが、水中を泳ぐドローンも増えてきた。
VR(ヴァーチャル・リアリティ)ヘッドセットは、テレビゲームで使われ、スキーのゴーグルのようなものをかぶり、目の前の画面にゲームの映像が映されて、あたかも自分が戦場等にいるような感覚でゲームを楽しむことができる。VRヘッドセットは、水中ドローンに搭載したカメラで水中映像を映すことが可能で、水中ドローンを自分で運転しながら、水中遊泳を楽しむことができる。
出典:QYSEA Technology, HOMiDO, Canbor
遠隔操作により、カメラの前で餌を放出すると、たくさん魚が集まって来て、迫力満点になるだろう。水槽内でゲームのような狭い洞窟を通るコースを設定したり、その他いろんな工夫ができるかもしれない。受動的な水族館は飽きるが、ゲームコントローラーを操作する能動的な行為は飽きない。
これは水族館の大小に関係なく、新しい集客アトラクションとして展開できる。たとえ小規模な水族館でも、巨費がかかるトンネル水槽を作ることなく、現状の施設で水中散歩が楽しめる。迫力あるリアルな水中遊泳が体験できて、行列ができるかもしれない。子供から大人まで、誰もが未体験ゾーンを楽しめるだろう。
開発コスト
- 既存のありきたりの機器の「組み合わせ」からイノベーションはよく起きる。既製品を調達し、運営ノウハウなどソフト面に注力するだけになる。ゲームセンターの1機種のように設置、運営する。
市場・ターゲット
- 一度行けば十分と思っている家族。水族館に飽きたカップル(二人でVRヘッドセットをかぶる)。
- コントローラーの操作なら任せろという、ゲーム好きの層。
- 従来の水族館に存在しなかった、新しい体験型アトラクション。
- 日本52施設の水族館のみならず、世界458施設の水族館へ、「水中ドローン+VRヘッドセット」のアトラクション装置を提供、運営する専門会社を設立できる。資金提供してくれる会社があれば当社へご連絡ください。