イノベーションを起こす「5ちゃんねる・アイデア・マイニング」

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罵詈雑言こそアイデアの宝庫

 築地にC&Cというマーケティング会社がある。グリコのカレーやサントリーの缶コーヒー、明治のつぶつぶいちごミルクなど、女子高生(T層)や主婦(F1層)などを築地に集めて、新商品試作の意見を聞いて集計するバイトを大学時していた。今も大手企業は新商品のモニター調査をしている。
 回答のほとんどは平凡な、当たり前の意見、あるいは忖度した真実でない意見ばかりで、10%程度しか建設的な意見がない。この体験から比べると、匿名投稿サイトの5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の方が本質をつく汚い言葉で、遥かに良質の意見が得られる。
 『みんなの意見は案外正しい』ジェームズ・スロウィッキー という本がある。本題は「The Wisdom of Crowds」で群衆の叡智。若干意味合いは違うかもしれないが、集団の知恵、多様な集団が到達する結論は、一人の専門家の意見よりもつねに優ると述べている。その他、集合知に関する本がある。
 『凡才の集団は孤高の天才に勝る―「グループ・ジーニアス」が生み出すものすごいアイデア』キース・ソーヤー
 5ちゃんねるのヘッドラインは、アマゾン、価格.comのレビューより遥かに大量に書き込みがある。匿名のため、ヘイトスピーチやデマ投稿だらけであるが、そうであると同時に本音しか書かれていない。2014月9日9日放送のNHKの知恵泉という番組にホンダの川本元社長が出演し、「ジャーナリストを雇って悪口雑言だけを集めて報告させて、随分役立った」と述べていた。悪口は経営に役立つ。
 アップルの新型iPhone、トヨタの新車、吉野家の新商品などのニュース速報に対して、店頭で使った、試乗した、食べた人の体験談が多数出てくる。アンケート調査でランダムに集めた人の意見でなく、その商品に詳しいマニア、自分のが故障し人柱になった、「すでに選別された人」が、これは言っておきたい、知って欲しい、だまされるななど自分から声を大に主張している。バックグラウンドが違う職場に絶対いないような経歴、職歴、体験の多様な人が、こうしたら良いという改良点、新商品アイデア、コンサルティングの助言をタダで教えてくれる。
 『コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則』では顧客がブランドの伝道者になると述べている。SNSや口コミサイトが販売の主導権を握る。自社商品に関連する批判や罵詈雑言は、新商品開発にヒントをくれる宝といえる。
 このような匿名サイトを見下したりバカにする人が多いが、ここはタガの外れた言論の自由があるだけで、Twitterと特に違いはない。東京オリンピック・エンブレムのパクリ騒動のような民主主義と同じ自由過ぎる言論の自由の討論からファインプレーが起き、尊敬すべき人がたくさんいることがわかる。

イノベーション創出

 見ていると予想外のものを発見したり、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけるセレンディピティが起きて、イノベーションでいう「新結合」が生まれる。すでにその分野に詳しい選別された群衆の無数の意見は、多くのビジネス書を読むよりインスピレーションが湧き、新商品のアイデアを思い付く。(同時に専門家、学歴、大企業の人材は大したことないとわかる。)
 日本企業は就職活動のOB訪問で一緒に仕事をしたい似たような人材を集めるから、ただでさえ多様性がないのに余計同質人間が集まる。NIH(Not Invented Here)に固執するからなおさらイノベーションが生まれにくい。(それがわかっていても行動しない事なかれ主義が日本人の特徴。)
 すべての企業、すべての新商品企画に関わる社員は、ニュースサイトを見るなら、5ちゃんねるのヘッドラインで見るべきだと思う(どこよりも最速みたい)。国内最高のレビュー数、アンケート結果と同じものが述べられている。モニター調査より遥かに安く、その分野に詳しい消費者の建設的な意見を大量に得ることができる。アサリの貝掘り並の忍耐と時間が掛かるが、新商品のアイデア、ヒントが得られる。「5ちゃんねる・アイデア・マイニング」は、仕事中に業務としてやる価値がある。卑猥な言葉だらけなので、男性社員が行うとよい。

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